プロの住宅レシピ 趣味とプライバシーを両立する、中庭を囲む住まい

鈴木 貴博
高低差のある敷地に建つこちらの住まいは、ご家族それぞれの希望が組み合わさりできた住まいです。
この家づくりは、ご主人の「バイクを楽しめるガレージがほしい」という希望と、奥様の「外からの視線を気にせず過ごしたい」という要望から始まりました。さらに、お子様の「ゲーム専用の部屋がほしい」との希望も合わさり、中庭を囲むロの字型のスキップフロアの住まいをご提案しました。
まず、1メートル以上の高低差がある敷地では、自然な地盤面を活かし、空間ごとに半階ずつずらすことで、無理のない配置を行いました。
たとえば、バイクガレージは1階の床レベルより半階下げて設け、道路とのアクセスをスムーズに。リビングはそのガレージより半階上に設け、中庭を囲むようにレイアウト。さらに、1.5階には子どもたちのゲーム部屋となるロフトを配置しています。
ロの字型に囲まれた中庭で、外部からの視線を遮断。芝を敷いた中庭で、バーベキューを楽しんだり、野外リビングとして自由に楽しめます。
キッチンからは中庭越しにガレージやロフトの窓が見えるように設計しているので、個々の時間をたのしみながらも、完全に孤立しないようゆるやかなつながりをもたせ、まさに「スープの冷めない距離感」で、プライベートとつながりのバランスを保ちます。
敷地や環境の条件を考慮しながら、家族それぞれの「好き」を尊重し、お客様の要望をできるだけ素直に形にした住まいです。