プロの住宅レシピ 「どこにいても自然を感じる」住まいのアイデア

デザインオー建築事務所
丸橋 浩

ワーロンシート

森の中に建つ住まいのリビングは、「どこにいても森を感じられる空間にしたい」という希望を受け設計しました。
建物の四周に窓を設け、室内のどこにいても木立や森の風景を楽しめます。
窓は一般的な四角いものではなく、縦長のデザインを採用。特に南側の立面では、ランダムに配置された縦長の開口部が、木立の中から風景を切り取るように外の景色を見せ、リビングは森の中に溶け込んだような一体感のある空間となっています。
夜間の断熱効果を高めるために設けた障子も、通常の四角いデザインではなくランダムに配置することで、自然と木が生える森を想起させるデザインです。

この開放的な窓を実現するため、木造ラーメン構造を採用しました。通常の在来工法では耐力壁が必要となり、窓の位置が制限されます。しかし、ラーメン構造にすることで構造的な制約から解放され、自由に窓を設けることが可能です。また、柱も一般的な四角い柱ではなく壁状の柱を縦横に配置することで、構造的な強度を保ちながら、住まいの中にも森の要素を取り込んでいます。

リビングの床には段差をつける「リビングピット」を採用しました。リビングはダイニングよりも約40センチ下げ、反対に和室では40センチほど床を上げることで、森の中にある起伏や窪みを室内に表現し、更に雰囲気を強調しています。

空調では、少ないエネルギーで快適な室内環境を保つ工夫も取り入れました。一階と二階をランダムな窓でつなぐことで、二階に設けた床暖房と薪ストーブからの温かい空気を家全体に届けます。

「自然を感じながら暮らしたい」という願いを形にしたこの住まいは、リビングの中にも森を感じるデザインが詰まっています。

Photo : 鈴木 豊

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採用されている製品

ワーロンシート
株式会社ワーロン 
デザインオー建築事務所
丸橋 浩
ここが私の評価ポイント!
ワーロンシートは、一般的な障子紙とは異なり、障子の間にプラスチックのシートを挟んだ素材です。通常の障子のように簡単に外して張り替えることはできませんが、その分耐久性が高く、建具としての品質も優れています。さらに表面が拭き掃除できる素材なので、お手入れがしやすく、長く清潔に保つことができます。
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