作品紹介

敷地は西に海、東に山が迫る、新たに造成された区画の一画。周囲は家が疎らに建っている程度であるが、今後街並みが形成されていくと考えられる。
都心では得られない大きな敷地から、庭を含めた自然環境と一体化した、ラフに使いこなせる空間が望まれた。
屋根は成900mmの巨大な木造合成梁(上下弦材を合板でサンドイッチした梁)を東西方向に飛ばし、幅600mmの耐力壁を平行に並べた列を2列作り、南北面が全て開口となる無柱の開放的な筒状空間を実現した。また梁下までに収められた壁、建具、家具によって平面を緩やかに分節し、梁成の空間では全体をつなげることで室内に一体感と適度な距離感を作り出している。
床はべた基礎の上にモルタル仕上とし、基礎の側面、底面を断熱材で包むことで蓄熱層とした。蓄熱層からの輻射で室内環境を制御することで、サッシを開放しても室温が外気に影響され難い真に開放的な室内環境を可能とした。外断熱工法、屋外壁通気工法、蓄熱式低温輻射式床暖房(これら室内環境制御技術)を採用し、真に開放的な空間を工業部品を単純明快に組み合わせることで実現した。

 

2011年度グッドデザイン賞(日本デザイン振興会)
パッシブデザインコンペ2014 住宅部門 優秀賞 (パッシブデザイン協議会)

 

掲載誌
新建築住宅特集2011年10月号(新建築社)
グッドデザイン賞公式受賞年鑑2011(日本デザイン振興会)

作品集

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