Den設計室
■ KU VA CO 〜 縁側土間*おうちキャンプある暮らし 〜
近隣の川沿いには桜並木があり、シーズンには桜を楽しむ風景のある住宅街。
そこからすぐの本敷地は、北側道路に面し、東側と南側の隣家の影の影響と
隣家から見下ろされているような視線が気になる環境・条件だったことがヒアリングと敷地調査をした際の印象深い記憶のひとつでした。
初めて敷地を訪れた2017年秋から計画はスタート。
既存軽量鉄骨改修案をご検討の上、建て替えることになりました。
当初は、既存のお住まいの改修とするか建替とするか検討段階だったこともあり、
既存状況を調査させていただき、その報告書をご検討いただく時間も大切な一歩でした。
■ 地窓+吹き抜けで隣地の目線をカットしながら明るく開放的な空間を創る
住宅がある程度密集している場所では、窓の位置によっては隣の家と目が合うということが起きがちです。
かといって、その方向を全面壁にしてしまうというのも、空間の広がりや明るさの面で味気ない、という悩みを解決するために採用したのがこの地窓+吹き抜けプランです。
通常より低い位置に地窓を設置し、目線をカットしながらも庭の空間やそこで遊ぶ子供たちの気配を室内で感じられるようにしました。明るさも不足しないように、土間部分の吹き抜けに高窓をつけ、隣地の視線のない上部から光を取り込みます。これによって一段下がった土間部分でも室内のフローリング部分でもお隣さんと目が合う心配はありません。
また、土間とリビングのスペースの間に引き込みの障子を設置していて、普段は全開放できますが、夜間や来客時などよりプライベートな空間を作りたいときには、地窓のある土間部分との間を仕切ることができます。このように用途に併せて空間をコントロールできるのもこのプランの工夫の一つです。